ゲートウェイ成田。巨大デジドームやコンベンションセンターで観光・ビジネスの拠点を目指す。
3200万人以上(2023年)が利用する成田国際空港からほど近い広大な敷地に、2026年度末の開業を目指した一大プロジェクトが動いている。
「ゲートウェイ成田」はこの広大な土地に日本の観光・ビジネス・文化の中心となるグローバルな街づくりを行うといったプロジェクトである。
「ゲートウェイ成田」巨大デジドームやコンベンションセンターで観光・ビジネスの拠点を目指す。
成田空港は3200万人以上(2023年)が利用する国際空港であり、日本の空の玄関口となっている。
そんな成田空港からほど近い広大な敷地に、2026年度末の開業を目指した一大プロジェクトが動いている。
成田市は2024年、該当地域である成田市小菅地区の土地活用マスタープランを発表した。
「ゲートウェイ成田」プロジェクトは、この広大な土地に日本の観光・ビジネス・文化の中心となるグローバルな街づくりを行うといったプロジェクトである。
■ゲートウェイ成田
最先端のビジネス、エンターテイメント、カルチャーを融合させた次世代の”街”を、成田空港に隣接する巨大な敷地に創り出そうといった、このゲートウェイ成田の都市構想。
成田市のマスタープランによると、ゲートウェイ成田の敷地面積は約45.6万㎡。
ちょうどこのエリアは成田空港周辺の「駅空白地帯」と呼ばれていたが、市街地拡大や空港関係者の住居地域として、新駅構想がある。
新駅が開通すれば、空のアクセスだけでなく鉄道によるアクセス利便性の向上が見込める。
ゲートウェイ成田は2026年度(2027年3月)の開業を予定しているようだ。
施設内容は、商業複合施設・ランニングトラック・デジタルドーム・ホテル・冷凍貯蔵倉庫・フードテックR&D開発拠点(国際展示場、国際会議場、キッチンスタジオを含む)バスターミナル・駐車場棟等である。
■コンセプト・ビジョン
「世界中の人々が成田を⽬指して集う、観光と産業の顔を持つ入口」として機能することや、「2030年〜40年代のメガトレンドを前に未来を見据えた施設・設備を導入した街づくり」を目標に、都市計画を進めているゲートウェイ成田。
このプロジェクトでは、約45.6 万㎡の敷地面積に総延床面積約38万㎡(予定)の巨大な複合施設を創造する。
国際空港が立地する成田市だからこそ、質の高い商業施設、娯楽施設、宿泊施設、研究開発施設を配置され、国内外から多くの集客を見込める予定となっている。
この東京ドーム約10個分の土地を有するゲートウェイ成田の中央部には商業施設やホテルが、そして取り囲むように、成田のランドマークを目指すデジドーム、広場、バスターミナル、キッチンスタジオとフードテック企業の研究開発所が併設された施設を建築予定で、成田から日本国内外へ文化を発信する拠点となりそうだ。
■都市設計担当
Laguarda.Low Laguarda.Low is a global architectural practice focused on creating exciting experiences.
ゲートウェイ成田のランドスケープをはじめ都市計画は、ニューヨークに拠点を置く都市設計事務所「Laguarda Low Architects(ラグアルダ・ロウ・アーキテクツ)」が担当した。
「Laguarda Low Architects(ラグアルダ・ロウ・アーキテクツ)」の共同代表である重松健氏は、人々の体験をデザインするというコンセプトで、今まで世界25ヵ国でマスタープランから複合施設の建築設計までを行ってきた経歴を持つ。
近年では東京・日本橋川沿いの呉服橋における再開発プロジェクトの都市計画で、主任デザイナーを務めた。
成田市内広範の商圏活性化を促す交通インフラの設計となっており、周辺駅との連携強化により、東京都心部との接続を強化してゆく計画である。
ゲートウェイ成田には大型バスターミナルをデジドーム前広場の地下に配置し、発着バース20台を確保する予定だ。
■街のランドマーク・巨大デジドーム
ゲートウェイ成田のランドマークとして建設されるのが、巨大なデジドームである。
デジドームとはデジタルテクノロジーを駆使した球体のドーム施設であり、世界最大級と謳われるLEDスクリーンを導入する予定となっている。
デジドームのスクリーン面積は6000㎡、ドーム客席数は5000席を超える予定で、カーボンニュートラルに対応した世界最高水準のアリーナが、成田市の新たなランドマークとなる。
ドーム内の全空間が映像につつまれ、万単位のスピーカー音響設備を導入することから、かつてない臨場感と没入感を体験できる施設となるだろう。
特定の⽅向に⾳を⾶ばすことができる技術を活⽤し、エリアによって⾔語を変えられる仕様となっているため、国際的なイベント開催が大いに期待できる。
開業後は国際的アーティストの、大迫力の招聘公演が楽しみだ。
現在世界最大規模のデジドームは、ラスベガスの球体アリーナ「Sphere」で、2023年に開業している。
「Sphere」は建物を包み込むLEDスクリーンが大きな特徴で、ドームの外側にも映像が映し出されている。
2027年春に、商業複合施設とデジドームの開業を目指すと発表されている。
ゲートウェイ成田のデジドームの開業によって、世界のエンターテインメントが成田で楽しめるようになるかもしれない。
■デジタルホテルと商業施設
ゲートウェイ成田で建設される宿泊施設は、客室に大型ディスプレイを設置したデジタルホテルとなる。
成田エリア最大級の客室数を誇り、客室内の大型ディスプレイでは、デジドームのコンテンツを楽しめるようになるという。
また、ホテルと商業複合施設を結ぶ1周500メートルのラウンジである「ウエルネスリング」には、2500㎡と世界最大級のLEDビジョンを設置予定。
2500㎡の巨大スクリーンでは、デジドームでのコンテンツや、スポーツコンテンツを配信予定で、レストランでは映像を楽しみながら食事ができる。
■デジタルツーリズムの促進
デジドームでは大迫力のLEDスクリーンで、⽇本の歴史・地域、四季の変化が豊かな日本の魅力を発信するコンテンツ、歌舞伎作品やサブカルチャー作品を上映することが可能となっている。
没入感があるデジタルコンテンツによって、ありのままの日本の魅力を、ゲートウェイ成田にいながら体験できることになる。
日本の「祭り文化」を臨場感あふれる音響設備で体験出来れば、デジタルツーリズムの促進が期待でき、なかなか現地へ赴くことができない地方の魅力発信も成田から行うことができるだろう。
■フードテック企業の研究開発拠点
現在日本食は世界でも人気となっているが、ゲートウェイ成田は食文化の発信や開発の拠点となることを目指しており、様々なフードテックが集積するメリットを備えている。
ゲートウェイ成田の施設内には、フードテック企業の実験・研究開発施設だけでなく、実演できるキッチンスタジオ、そして大規模コンベンションセンターが併設される予定だ。
日本の玄関口である成田空港に隣接したゲートウェイ成田は、海外へ向けた日本の食文化の発信に優位なだけでなく、施設内にはホテルや商業・飲食ゾーンも建設されるため、そういった顧客層へのアプローチも期待できる。
フードテック企業にとってメリットが多く、起業集積が進めば、輸出拡大とグローバルコールドチェーンの構築を目指す研究開発も行われ、日本版フードバレーとなる可能性を秘めている。
ゲートウェイ成田の基本計画
所在地:千葉県成田市小菅
敷地面積:約 45.6 万㎡
総延床面積:約 38 万㎡(予定)
開業時期:2027 年3月を予定 (※一部開業)
主要建物:商業複合施設、ランニングトラック、デジタルドーム、ホテル、冷凍貯蔵倉庫、フードテックR&D開発拠点(国際展示場、国際会議場、キッチンスタジオを含む)バスターミナル、駐車場棟等